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星作品集(単行本)の価格の移り変わり |
☆ 情報提供は、九条ゆやさんです。ありがとうございました。 ☆
星作品集(単行本)の価格の移り変わり | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今、星さんの作品集で、いちばん入手しやすいのは、新潮文庫だろうか…。長らく全国の書店の本棚で、若草色の背表紙が目印となっている。しかし、それ以前の星さんの作品集は、単行本で出されていた。 ここに、新潮社発行の単行本が18冊ある。それらの巻末や帯を見ると、既刊(すでに発行されている本)の紹介が載っている。当時としてはただの広告だったろうが、今となっては過去を伝える資料ではないだろうか? さっそくまとめて、表にしてみた。今から30〜40年も前の、昭和40年代が中心だ。当時の大卒初任給は、昭和43年(1968年)で約3万円、昭和49年(1974年)で8万数千円とのこと。(文章、表の下に続く…)
(注)昭和46年(1971年)に、そろって値下がりしているように見えるが、実際はそうではないと思われる。 さて、パッと見て目を引くのが、昭和49年(1974年)の価格変動の激しさではないだろうか。前年までのなだらかな傾向に比べ、きわ立った変化が見て取れる。ほとんどパニック状態…。この時期、いったい何があったというのか? 星さんの「自筆年譜」にはこうある。 『昭和48年(1973)46歳 この年の秋、いわゆるオイルショック。中東戦争により、アラブ諸国が産出の石油を値上げし、そのため紙をはじめ物価が値上りし、経済界は不況にむかう』 オイルショック(石油危機)とは、原油の急激な値上がりで、経済が大混乱した歴史的な出来事だ。日本では全国的にトイレットペーパーや洗剤、砂糖などが買いだめされ、便乗値上げも加わって“狂乱物価”と呼ばれた。出版業界もその例にもれず、翌年の急激な価格変動につながったものと見られる。 この時期に書かれた星作品を「初出リスト」から一部抜粋。
昭和49年(1974年)5月に発行された、『夜のかくれんぼ』に収録されている作品が中心だ。これからこれらを読むときは、当時の時代背景を考え合わせながら読むと、一体感が増し、より楽しめるかも知れない…。 おりしも現在。 石油をめぐる動きが、30数年前と似たような状況になっている。世界的な石油需要の高まりにより、石油価格がじわじわと値上がり続けている。一説によれば、ヘッジファンドの投機が、拍車をかけているという見方もある。今のところ経済的混乱は、過去ほど極端でないものの、これから先、どうなるかは不透明…。 星さんの年譜はこう続く。 『なお、2月に小松左京が『日本沈没』を発表し、大きな話題となった』 くしくも2006年夏(7月15日)、小松左京さん原作の『日本沈没』が、劇場でリメイク公開された。ひょっとすると今の世の中に、1973年と同じ不安の空気が、満ちているのかも知れない…。 (2006.7.16) |
★ 資料にした単行本の一覧 ★
・ 人造美人(昭和36年/2版)250円 | ・ 人造美人(昭和42年/4版)300円 |
・ ようこそ地球さん(昭和42年/5版)300円 | ・ マイ国家(昭和43年/初版)320円 |
・ ひとにぎりの未来(昭和44年/初版)330円 帯あり | ・ 妄想銀行(昭和44年/3版)320円 |
・ だれかさんの悪夢(昭和45年/初版)330円 帯あり | ・ おせっかいな神々(昭和45年/9版)330円 |
・ ほら男爵現代の冒険(昭和46年/2版)370円 | ・ さまざまな迷路(昭和47年/初版)360円 帯あり |
・ 気まぐれ指数(昭和47年/10版)350円 | ・ ひとにぎりの未来(昭和47年/10版)360円 |
・ かぼちゃの馬車(昭和48年/初版)360円 帯あり | ・ 未来いそっぷ(昭和49年2月/13版)430円 |
・ 夜のかくれんぼ(昭和49年5月/初版)520円 帯あり | ・ おせっかいな神々(昭和56年/29版)730円 |
☆ 情報提供は、九条ゆやさんです。ありがとうございました。 ☆
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