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ウインクホシヅル 祖父・小金井良精の記 ジャンプホシヅル
105の短章で構成された会心の長篇小説。


祖父・小金井良精の記
「祖父・小金井良精の記」は、星さんの祖父で解剖学者・人類学者の小金井良精の人生を、日記の引用を主体に描き出した長編ノンフィクション。「明治・父・アメリカ」「人民は弱し、官吏は強し」のようなドラマ性には欠けますが、星一のダイナミックな人生とは異なる、誠実な学究の徒である小金井良精の人生もまた魅力的。

 昭和以降の星製薬の状況、事業再生に闘志を燃やす星一社長の生活、星新一少年ののんきな日記もみどころ。1974年(昭和49年)2月、河出書房新社発行。

祖父・小金井良精の記
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□ 系図 □

 小金井良精森喜美子(森鴎外の妹)の間に産まれた娘が小金井精(せい)。精と星一の間に産まれた兄妹が新一、協一、鳩子。

□ 米百俵 □

 小泉首相の引用で有名になった「米百俵」のエピソードの主人公は、小金井良精の伯父・小林虎三郎。戊辰戦争で荒廃した藩の建てなおしを任された彼は、百俵の援助米を売りはらい、その代金で学校を建設する計画を立てる。米の引き渡しを求めて詰めかけた武士たちに対して、彼が語った言葉。

「藩がこうなったのも、人材がなかったからだ。」(中略)「この百俵で学校を作り、子弟を学ばせ、将来において何万俵もの価値を生み出させようではないか」

□ 裁判 □

昭和9年7月5日(木)の星一の日記より。

「午後二時、控訴院。芝義太郎の証人訊問。二時間にわたり、私と弁護士が問いつめた。親戚の検事正と相談したろうと聞くと、彼は怒った。さらに追及せんとせしに、判事は彼を退出せしめた。芝は遺憾なく彼の人格を暴露した。それでもわからなければ、裁判所は暗黒だ」

※ 芝義太郎は、「人民は弱し〜」にも登場する星製薬の債権者のひとりで、乗っ取りをくわだて、星製薬に対していくつもの訴訟を起こしていた人物。

□ 星新一少年 □

星新一少年の日記より。

・5月13日(日)雨 「ぼくは武装して、いくさごっこをしてあそんだ」
・7月17日(火)曇 「るすに朝顔が三はち買ってあった」
・7月30日(月)曇 「ほうせん花のたねをとってまいたら、一週間くらいでめが出た。育ってさくかしらん。たのしみです」
<担任の村重先生の朱書> よくかけました。もうすこし字をきれいにかくとよろしい。

※「祖父・小金井良精の記」は、1000円〜5000円程度で古本屋で入手できます。また、2004年6月、上下巻に分けられ、河出文庫(河出書房新社)から「祖父・小金井良精の記 上(ISBN 4-309-40714-5)」、「祖父・小金井良精の記 下(ISBN 4-309-40715-3)」の2冊が発行されました。

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